破壊
もしかしたら、Googleは破壊しようとしているのではなく、僕らユーザーに破壊させようとしているのではないか?
何を破壊させようとしているのか、それは生活習慣や仕事習慣、時間の使い方など、今まで良しとしてきた今までの自分のやり方をだと思う。
それが、ボクが「グーグルGoogle 既存のビジネスを破壊する」(佐々木俊尚著)を読んだボクなりの仮説だ。
グーグルニュース、グーグルマップ、Gメール、グーグルブックサーチ、そしてグーグルベース・・・。当たり前だが、これらを使うか使わないか、使うとしたらどう使うのか、それは全てユーザーに委ねられる。
グーグルニュースでは、例えばアメリカの一地方で発行されている発行部数何千部の地方新聞も全世界で読むことが可能となった。誰が読むのかといえば、ボクらだ。
Gメールは、1GBもの保存容量があるウェブブラウザ上で動くメールサービスだ。これはボク自身も使っている。グーグルマップでは、マウスでクリックしたり、ドラッグしたりしながら、拡大・縮小、上下・左右、写真と地図の入れ替えなど自由自在だ。それらソフトはボクらが使う。ボクはこのグーグルマップが大好きだ。仕事中でもつい見てしまうクセがあるほどだ。グーグルマップに静かに興奮しているといった感じだ。
そして、これらのサービスは無料で提供されている。Googleがボクらの目の前に現れてくれたのだ。
全世界でとてつもなく多くの人間達がこれらGoogleのサービスをいわば熱狂的に利用し、今までの自分たちのやり方をいとも簡単に破壊していった。その行動は津波のようにあっという間に全世界に広がっていったのだろう。
無料だからというだけで凄いのではない。これら無料のGoogleのサービスに集まる不特定大多数のユーザーに対し、ある企業や団体(個人も)がピンポイントで広告を打つことができる、いわゆるキーワード広告「アドワーズ」や「アドセンス」の効果とクライアントの数が凄いのだと思う。効果絶大だから自ずとクライアントの数も増える。
尤もキーワード広告を最初に考えたのはGoogleではなく、Googleとキーワード広告の天下を分け合ったオーバーチュア創設者である、ビル・グロスだった。それをGoogleが「アドワーズ」として追随し、技術力で突き放す。
― Google 2005年度第3四半期決算
売上高15億7845万6000ドル、うちアドワーズ+アドセンス合計額15億5969万1000ドル、98.8%をこの2つの広告が占めているのだ。 ―
2つの広告とはもちろんキーワード広告だが、単なる検索エンジン企業だけではなく、巨大な広告代理店と呼ばれる所以だ。
今までの古い体質から脱却、古いやり方を破壊するだけの圧倒的パワーを秘めたGoogleのこのキーワード広告により、実際に今までのやり方・考え方を破壊し、そして成功を収めた。
東京都大田区の羽田空港パーキングや福井県のメッキ工場などの日本の例が紹介されている。この2社も既存の概念を覆し、それまでのビジネスの常識を破壊したからこそ、成功したのだと思う。誰が成功に導いたのかといえば、Googleのキーワード広告だ。キーワード広告による影響があまりにも大きくなってきていることから、「サーチエコノミー(検索経済」とも呼ばれている。
もう一度繰り返させて頂くと、Googleは破壊しようとしているのではなく、僕らユーザーに破壊させようとしているのではないか?破壊するかしないかはユーザーがGoogleという破壊兵器をどうやって使いこなすかにかかっている。
本書では、アメリカの調査企業IDCのレポートが以下のように紹介されている
― 「破壊的なビジネスモデルが加速することで、新たな状況が生まれる」(『2006年IT業界予測』 レポート) ―
―より大きな影響としておそらく出てくるのは、古い企業が『破壊者グーグル』に対抗するために自分自身のビジネスモデルを破壊していくという状況だろう ―
Googleは確かに「破壊者」だと思う。Google自身も自らの力でIT業界を破壊した。そしてまた、ユーザー自身のそれまでのビジネスモデルやライフスタイルを破壊するのは、ユーザーである自分自身なのである。何とかしたい、変えたいと思うのであれば、の話だが。
世界を変えていくには、まず自分自身を変えていく、つまり今までの自分自身を破壊していくことが必要なのだろう。自分自身を変えられるのはGoogleではない、自分自身だけだ。Googleがそれを身を以って教えてくれているような気がする。
感謝。
この色の文章は、「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」(佐々木俊尚・著)より引用。



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